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駅に向かう途中のゴミ箱に、律と私の二人で買った参考書が捨ててあった。 「皆見て!」 唯とムギがそれを見て、不安そうに表情を歪めた。 「それ、りっちゃんの……」 「駅に向かったってことかしら?」 「わからない……わかんないよ!」 「澪ちゃん落ち着いて」 ムギが私の肩に手を置いた。 落ち着いていられるわけがなかった。 律が落ちた。 律が落ちちゃった。 私たち皆で通うはずだった大学に、律だけ落ちた。 律はそんな自分を情けないと思ったのか、番号が掲示された番号をしばらく見て突然走り出してしまった。 私はまさかと思ったけど、まさかは当たってしまっていた。 律が――。 律の悲しそうな顔が浮かんで、体が震える。律の涙や声が頭に残響する。 やめてくれって頭に懇願したって、嫌でも律の顔は甦る。律の優しい声も悲しい声も全部浮かんでくる。 ずっと一緒にいたから。何年も一緒だったから。 律がどんな想いになってるかなんとなく想像はついてて、それが余計に胸を縛りつける。 「もしかしたら先に帰っちゃったのかもしれないわ、家に電話してみたら?」 「そ、そうだな……」 私は今すぐにでも律を探して回りたい衝動に駆られつつも、携帯電話を取り出して律の家に掛けた。 先ほど律の携帯に掛けてみたがそっちは電源が切られていた。 数度のコールの後、誰かが出た。 「も、もしもし律か!」 『えっ澪さん?』 聡だった。律が出るわけがないと薄々感づいてはいた。 『どうしたんですか?』 「聡、律は帰ってきてるか?」 左手で携帯を耳に当て、右手を胸の前で握り締めた。 痛いのをこらえるのと、律がいてほしいという願いを込めていた。 『んー……靴はあるからいるんじゃ』 「よ、よしっわかった! ありがとう。切るぞ」 私が電話を切る前に、ムギと唯は切なそうながらも笑みを零していた。私の言葉で伝わったらしい。 聡が何か言おうとしていたが私はすぐに切って、二人に告げた。 「律は家に帰ってるみたいだ……」 「よかったね澪ちゃん!」 「あ、ああ……」 このまま律が何処かに失踪してしまいそうな気がしたけど、そうでもなかった。 嬉しいけど、やっぱり悲しい。 複雑だ。喜べない。 「じゃあすぐに行こうよ! 電車そろそろだよ」 唯がそう言うと、駅に向かって走り出した。 その背中を見つめていると、ムギが私に尋ねてきた。 「澪ちゃん……さっきの、本当によかったの?」 さっきのとは、律を追いかける前に私がやった行動の事か。 確かにせっかくのことだけど、迷うことはなかった。 私がそうしたかったから。 「うん。律がいなきゃ、やっぱり……」 ムギや唯には悪いけど。 私は誰よりも律といたいんだ。 「……そうよね、ごめん。唯ちゃん追いかけましょ」 「う、うん」 私たちも走り出した。 律が捨てた参考書は、私の鞄の重みとして加わった。 ■ 「本当に澪ちゃんだけで行くの?」 律の家の前で、唯はいつになく悲しそうに言った。 律と話すのは私だと宣言したからだ。 「うん。多分だけど、話してくれるの、私にだけだと思うし……」 ムギと唯に何も話さないかと言ったらそういうわけじゃない。 ムギも唯も律にとっては大事な友達であるのに変わりはないし、大学に落ちたからってそれが変わることはないだろう。 だけどそんな『友達』という関係だからこそ、律は今自分を責めているんじゃないかって思うから。 一人だけ落ちてしまった事を激しく後悔しているんだって、手に取るように分かる。 律の気持ちを一番知ってるのは、私だ。 幼馴染で、恋人の私だ。 「……その自信はどこからくるの?」 ムギがちょっとだけ苛立ったような口調で言った、気がした。ムギらしくなかった。 でもそれだけ自体を深刻に見ているんだなって思った。 その自信は……この自信は、どこからくるのかって。 言葉にするのは難しかった。 こうだから、という理由がない。 理屈じゃなかった。 「私は……私は、ずっと律を見てきたから……誰よりも律を理解してるつもりなんだ。何年も一緒にいたし、ずっと一緒だったし……」 やっぱりまとまらなかった。 だけど。 「私になら、なんとかできるんじゃないかなって……」 ムギは何か言おうとしたけど、押し留まった。 「私たち……待ってるからね」 唯がそう言った。ムギも遅れて頷く。 「ああ……時間かかっちゃうかもしれないけど」 幼馴染で親友で恋人で。 律の気持ちなんてこれ以上ないくらい知ってる。 でも今の律の気持ちを考えると、何を言えばいいのかわからなかった。 慰めるとか、元気を出させるとか。 わかんないけど。 ただ律には笑ってて欲しいだけなんだ。 泣いたまま塞ぎこんでる律なんて、見たくないんだ。 「じゃあ行ってくる……」 律が部屋にいるとわかっていて、私がここを訪れるのは何千何万回目だ。 そして『律の様子がいつもとは違う』という状態で律に会いに来たのも、何度目かだ。 だけど、頭の中はぐるぐると色んな事が渦巻いていた。 律が考えている事は、確かにわかるよ。 だけどそれを考えるだけど、階段を踏み切る足が崩れ落ちそうなほどに苦しかった。 痛かった。 律はあんなに気さくで活発な奴だけど、とても責任を重く感じて一人で背負ってしまう質だった。 だからあいつが何を思って私たちを置いて一人で帰ったかなんて想像に難くない。 だからこそ辛い。 階段をゆっくりと上がっていく。 律は足音だけで私とわかってしまうだろう。 だから私が律の家を訪れ階段を上がると、部屋から『澪ー?』と愛くるしい声が聞こえる。 そんなにわかりやすいのかとは思うけど、私も律の足音がわかるのでお互い様だった。 それも、相手のことを理解してる証拠なんだって知ってる。 でも今日は、律の声は聞こえてこない。 甘えるように名前を呼ぶ声は、今日は響いてこなかった。 それもまた、私の不安をさらに助長させる。 「律……?」 ドアの前に辿り着き、ノブを掴みながら声を出した。 返事はない。 私はすぐに入れなかった。踏み止まってしまった。 律に何を言えばいいのかわからなかったからだ。 慰めの言葉を言うだけなら簡単だった。 テレビや漫画で見たような励みの言葉なんかスラスラ言える。でもそんなの空想の世界だけだ。 そんなに簡単に傷ついた心を癒すことなんてできない。私の言葉でないのに、誰かに響くわけもない。 実際誰かが深く傷ついて、それを励ますなんてこと、簡単にできるわけがないんだ。 高校時代に喧嘩して、律が部活に来なくなった時もあった。 でもすぐに仲直りできたし、落ち込み気味だった律を笑わせられるのもすぐだった。 あの時はちゃんと律に素直になれたからこそだったと思う。 律ときちんと話して、想いを伝えれることが大事なんだって。 だけど今は、素直な言葉は出てこない。 慰めたい。立ち直らせたい。また律に笑ってほしい。 だけど私が『落ち込むな』なんて言ったって、律はそれを望んでいるわけがない。 私が律ならそんな言葉聞きたくない……落ち込まない方がおかしいだろって。 それも恋人にだ。 『立ち直れ』だなんて馬鹿馬鹿しい。そんなに簡単に立ち直れたら受験に失敗なんてしないんだよ。 私は奥歯を噛み締めた。 ――どうして律が。 律は頑張ってただろ……なのになんで落ちてしまったんだ。 そりゃ受験する人は誰だって頑張っていただろう。落ちたい人なんて誰もいない。 だって落ちることは未来を潰すことだから。失敗は誰かとの約束を破ることだから。 自分と誰かの笑顔を潰すことだから。 私たちも、そうだった。 四人で一緒の大学って、決めて。一緒に通える未来を楽しみにしてた。 でも。 私は頭の中の笑顔が崩れていくのを感じた。 その未来は、少しだけ先になってしまった。 律の頑張りが、足りなかったのかもしれない。 落ちた理由がなんであっても、落ちてしまったのには他の誰かに勝てない要因があったんだ。 じゃなきゃ落ちるわけがないんだ。 だけど、律の頑張りが他の誰かの頑張りに劣ってたわけがないんだ。 律はいつだって皆の事を考えていたし、皆で一緒の大学に行こうって言った時すごく喜んでた。 そんな未来のために律が努力を怠ったなんて思えない。 律はそういう奴なんだ。ずっと見てきたからわかるんだ。 律は誰かのために何かを頑張れる人だってこと。 私はドアを開いた。 私は鞄をいつも置く場所に置いた。 掛ける言葉にやっぱり迷う。 律はまるで死んでるかのように静かだった。 ――……! 「おい律!」 私は勢いよく駆け寄って布団を思い切り剥がした。 律はその布団を思った以上に強く掴んでいたのか、引き剥がせなかった。 それでも力を込めると、布団は吹っ飛ばせた。でも代わりに私は律の上に勢い余って倒れこんでしまった。 起き上がると私は四つん這いで、律を押し倒したような形になっていた。 律の顔が、目の前にあった。 息ができないほどに喉が詰まった。 律の顔は散々泣きはらした跡と、そしてまだ出続ける涙で濡れていた。 そしてどん底に突き落とされたような色で染まっていたのだ。 「律……」 やっと発せた言葉がそれだけだった。 「澪……」 私の名前を呼んでくれた。 だけど数秒視線が交わっただけで、律はすぐに目を逸らしてしまう。 「……ごめん」 それだけ言った。 私はさっきまで頭の中に色んな言葉や想いが入り混じっていたのに、それが全部真っ白になってしまっていた。 最初から言葉なんて決まっていなかった。 だけど頭の中の感情や気持ちは全部吹き飛んで、律の表情にただ狼狽するしかなかった。 だから、咄嗟に浮かぶ言葉に気持ちを委ねるしかなかった。 今私が表情を崩したら、ますます律を苦しめる。 私は笑って見せた。 「どうして律が謝るんだよ……」 私の出来る限りの優しい声色。 でも律は。 「……本当にごめん」 「だからなんで律が謝るんだって」 律の目から、大粒の涙は止まらなかった。 「……私、約束破っちゃった……」 やっぱり律は、皆との未来を壊した事に責任を感じていた。 仕方ないと思う。 誰でも律の立場なら、自分を責めるだろう。 当然私であってもだ。 それだけ私たちが目指していたものは、大きなものだったんだから。 「ごめん……本当にごめんっ」 悲痛な叫び。 律は涙を見せまいと片腕で目を遮った。 その姿に、思わず私も泣いてしまいそうになる。 何やってんだ。 律を笑わせに来たんだ。泣いてるんじゃないかって思って、案の定泣いていて。 それをどうにかしたくて、笑ってほしくてここに来たっていうのに。 まだ二人で笑い合いたいのに。 誰かが泣いてて、自分が笑うなんてできやしないんだ。 同情じゃない。 共鳴だ。 律の気持ちが私の気持ちなんだ。そこにいる律の気持ちや想いは、全部私に返ってくる。 律の想いがわからないなんてことはない。 何年も一緒にいるんだ。表情や仕草で心が覗けてしまう。 だから、律の気持ちがこんなにも胸を締め付ける。 「……だからっ、謝るなって」 私が告げた時、目を遮っている律の腕に、水滴が落ちた。 一粒。二粒。 「律は……律は悪くないんだ……っ……頑張ったんだよ」 涙の所為で喉が詰まり、咳き込んで、言葉がスラスラ言えない。 私、泣いてた。 「……でも不合格だった」 律は目を隠したまま言う。 「やっぱり私、口だけの馬鹿だった……」 「馬鹿じゃない!」 私の叫びは部屋にこだました。律は驚いたのかゆっくりと腕を退ける。 目が合った。 「律は馬鹿じゃない! 頑張ってた……私が一番知ってる!」 律が自分を責める。わかる。 でもそんなに自分を追い詰めないでほしかった。 律が自分を責めるのは、私が悲しい。悔しい。 律がそうなっちゃうのが、嫌だ。 「馬鹿なんかじゃ、ないよ……律は……」 ずっと律を見てきたんだ。 追いかけてたんだ。 一緒に色んな事をしてきたから。 だから。 「でも……でも落ちたんだよ。澪だってわかってるだろ……」 律は手を伸ばし、私の涙を指で拭った。 なんで私が涙を拭われてるんだ。 何しに来たんだよ、馬鹿澪。 「私はもう皆とはいられない。いる価値もないよ……」 吐き捨てるように。それでいて細くなっていく語尾と一緒に律は目を逸らした。 いる価値もない。 そんなこと。 「ないよ……そんなこと、ないよ律」 「あるよ。裏切ったんだぞ」 価値だとか、理由だとかそんなの。 「そんなの……関係ない」 関係ない。 価値とか理由に縛られた関係でもなかった。 ただ一緒にいたい。 そんな気持ちで今まで一緒にいたんだ。 「律……私、大学辞めてきた」 私がそう告げると、律は目を見開いてこちらに視線を向けた。 合格発表で律が走り去ってしまった後、私は大学の合格手続きの窓口で合格を破棄してきたのだった。 唯もムギも最初は止めてきたけれど、私は迷わなかった。 律がいないんなら意味がないときっぱり二人へ言い放ったのだ。 別に唯やムギと一緒にいるのが楽しくないわけじゃなかった。二人とも大切な友達だ。 だけど、律は――律は友達じゃなかった。 律は私の幼馴染で、親友で、恋人だ。 だから特別だったんだ。 四人でいるのは大事な夢だったけど、そこに律がいなきゃ嫌だった。 とにかく、嫌だったんだ。 依存だと罵られてもいい。 そうしたいという想いがあったから。 「私、やっぱり律がいなきゃ――」 その時だった。 台詞は遮られ、律は勢いよく体を起して私を押し倒したのだ。 ちょうどさっきまで私が律を四つん這いで見下していたのとは、真逆。 今度は律が四つん這いで、仰向けになった私を見下していた。 律は眉を寄せて、声を荒げた。 「馬鹿! 何やってんだよ!」 「な、何って」 「なんでなんだよ! 折角合格したのに! 澪はあんなに頑張ったのに!」 「だから律と通いたかったんだよ! 今まで一緒に勉強してきたのも、公立の推薦捨てたのだって全部律と一緒がよかったから!」 私がそう叫ぶと、律は何かを言いかけて押し留まった。 そうだった。 私は……私は律と離れたくなかった。 考えていた公立の推薦も、律と離れるぐらいならって蹴って。 それすらも簡単な決心で。 律は唇を震わせて、弱弱しく言った。 「私みたいな奴のために……絶対馬鹿だ」 「馬鹿馬鹿言うなよ。私がそうしたかっただけなんだ」 さっきから何度も反芻してた。 律と一緒にいたい。一緒じゃなきゃ嫌だ。 これからもずっと。 「律は私と一緒なの、嫌なのか?」 答えはなんとなくわかっていたけど、かまをかけた。 律は涙を腕で拭う。 「嫌なわけ、ない」 「ならいいだろ」 「そうじゃない……そういうことじゃないんだ」 いつまでも悲しそうなまま見下す律。 もっと簡単に、気持ちを伝えることはできないのか。 私は一瞬だけ考えて、その一瞬だけで答えを出した。 「律」 見つめ合う視線はいつだって優しかった。 だからなんだって許してくれる。 私だけの想いじゃないって、知ってるから。 「……――」 律の後頭部に両手を回す。 少しだけ力を込めて、抱き寄せるように。 唇を重ねた。 突然だから抵抗されるかと思ったけど、穏やかに律はそれを受け入れた。 もう何度目の、キスだけど。 でもいつもよりも想いを込めた。 「……っ」 少しして顔を離し、律は仰け反った。 律の顔は真っ赤だった。 「……なあ、律」 「……」 「私、律の事が大好きなんだ。だから大学も辞めた」 面と向かって好きだというのは、久しぶりだった。 「大学なんかよりも律が一番大事でさ……私だけ大学に通うなんて、考えられなかったんだよ」 「……唯やムギは、どうすんだよ」 さっきよりも少しだけ顔色のいい律が、それでも不安そうに囁く。 「あの二人は辞めないよ。私たちを待っててくれるんだってさ」 ムギは私が辞めるのを少しだけ止めてくれた。 唯はあんまり何も言わなかったけど、それは律と一緒にいてどうにかできるのは私だけだって思ってくれたからだろうか。 自惚れすぎか、私。 「……ごめんな、澪」 「なんだよさっきから」 律の涙は渇いていた。いや、多分泣きたい気持ちでいっぱいだろう。 だけどなんとか私の気持ちが伝わって、少しは落ち着いてくれたのだろうか。 そうであってほしい。 「澪が公立辞めて一緒の大学行こうって言ってくれた時、嬉しかったんだ。バンド続けられるのもあるし、何より澪と一緒なんだって思うと幸せで……」 律は諦めも含んだ――それでいて自嘲するように息を吐く。 そんな優しくも悲しい瞳を見つめることしかできなかった。 「だけど、やっぱり甘えてたんだ……どうせ受かるって思ってたんだきっと……頑張りは足らなかった……夢に本気じゃなかったんだ……私は」 律は夢には真面目だった。 皆で一緒にいられる未来を待ち望んでたのは皆同じだ。 「結果このザマさ……何が軽音部の部長だ。ドラムだとかリーダーだとか……調子に乗った癖に失敗して……失敗したら、全部意味ないのに」 言いたいことは山ほどあるのに、迷走して声にならなかった。 「夢はぶち壊し。澪にも皆にも迷惑かけて、澪は大学を辞めちゃって……全部、全部私が悪いよな……ごめん」 落ち着いていたのに、また泣き出しそうになる律。 いつもお調子者で元気な律。その癖こういう時だけ一人で背負いこもうとする。 そしてその『お調子者で元気な律』を、律は今否定した。 悩んだ時律が後ろ向きになるのは、随分前から知っている。 だけど今日はなんだか違った。 いつまで経っても泣きやまない。 そんな違和感を背に、私は告げた。 「……放課後ティータイムのドラムとか、部長だとかそれ以前に……私にとっては『田井中律』なんだ」 もし音楽をやってなければ一緒にいなかったか。 部長じゃなければどうとか。 そんなことない。 律がなにをやってようとどうであろうと、私は傍にいる。 「そこにいるだけで、私は嬉しいよ」 言葉が終わると同時に、私の頬に水滴が落ちた。 戻|TOP|次
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ムギが怒鳴り声を上げて、皆がバンドを続けていく事に憂いの目を瞬かせた部活。 その部活を終えてから、私は律の家に行った。 律の家の合鍵は随分昔にもらっていたので、いつものように鍵を開けて中に入る。 玄関の靴を見ると、律の靴はなかった。私はまた不安になって、靴を脱いで律の部屋へ走った。 「律!」 ドアを開けて部屋に飛び込むが、中はもぬけの殻だった。 ベッドにも、椅子にも、どこにもいない。 静かな空間と、無造作に転がっている抱き枕やぬいぐるみが私をさらに焦らせる。どうして早退したはずなのに律が帰ってきていないんだ? どこかをほっつき歩いているのか? そうに違いない。律はきっとそうだ。 なら帰ってくる……帰ってくる。 私は律のベッドを背もたれにして、体育座りをした。そして腕を膝の上に乗せて組み、顔をうずめる。 視界は真っ暗になって、思考だけが頭に広がっていった。 律……。 律の無邪気で悪戯っぽい笑顔だけが頭に浮かんでくる。 そういえば最近、あんまり律と話してないな……律が思いっきりボケることとか、私が律を殴ることも極端に減った。 クラスが別れてしまっては仕方ないとは思う。新しいクラスで唯一の知り合いだった和に、最近は付きっきりだった。 だって一人が怖いんだ。 小学生の時、確かに一人で過ごしていて、律に出会った。 親友という存在ができて、その存在が大切に思えて、かけがえなくて、失いたくないと思って。 そして、また一人になるのが怖くなってしまった。 だから律を手放してしまった今が怖くてたまらない。 また一人になってしまうかもしれないと、びくびくしていた。 そこに現れたのが和で、唯一の知り合いだった。 だから一年間の付き合いとして、できるだけ仲良くなろうと思った。 律を忘れたわけではなくて、むしろ律の事をもっと大事にしたいと思えるようにはなったけど、律にはときどきしか会えない。 私がこれから一年間一緒にいるのは和だろうから、悪い言い方かもしれないけど、『律の代わり』として彼女を見ていたかもしれない。 でも、律を忘れたわけじゃないんだ。 確かに和といつも一緒にいて、律ではなく和を選んだこともあったかもしれない。 律がお茶を飲みに行こうって行った時、唯が和と行くというから私もついて行った。 昼休みに律に会いに行くこともなかったし、本当に話す機会がなくなった。 だからって律を忘れたわけじゃない。何度だって言える。 律の事、忘れたわけじゃないんだ。 だけど。 でも――。 でも。 忘れてたのかな。 律の事、少し忘れてたのかな。 ちょっと忘れてたのかな。 和といるのも楽しかったし、和と話すのも大切な時間だった。 律の事、もしかしたら、少しだけ忘れてたのかな……。 「ごめん……っ」 私は、誰もいない部屋で呟いた。 「律……ごめんな……」 何がごめんなんだって言われたら、言葉に困るけど。 私、律の事大好きなのに。 そんな気持ちが、薄れかけていたのかもしれないんだ。 本当は肯定したい。 和と一緒にいる時も、ずっと律の事考えてたよって。律を忘れたわけじゃないんだよって。 私の中にある律に対する想いは、いつだって変わっていなかったよって自信を持って言いたい。 だけど、それは嘘なんだ。 律の事を忘れて、和といたいって思った時もあった。律の事を考えていない時間だってあった。 私の中にある律に対する想いが、少しだけ消えた瞬間だってあったんだ。 だから、和とお茶を飲みに行っちゃったり、律が私を構っているのを煩わしく思っちゃってたんだ。 構ってくれるの嬉しかったこともあったのに。律を殴ったりするのだって、大切だったのに。 そうすることもしないで、やめろなんて言ったりした。 そうすることも大切なのに? どうしてやめろなんて言ったんだ。それってやっぱり。 私は、律の事を、もう何とも思ってないのかもしれないってことなのかな。 そのまま腕に顔をうずめたまま、時が経つのを待った。 そうすれば、律が帰ってくると思ったから。 しばらくして、廊下から足音が聞こえた。 顔を腕に埋めていたからか視界は常に真っ暗で、起きていたのか寝ていたのかはわからないけれど、足音にすぐに気付いたという事は多分起きていたんだろう。 「律っ!?」 私は立ち上がって、すぐに部屋の扉を思い切り開けた。 いたのは聡だった。 「あ、こんにちは……」 「……聡か」 聡には悪いが、どうしようもなく肩透かしだ。 「……どうした?」 私が問うと、聡は私の顔をしばらくじっと見つめて何も言わない。 私が不思議そうな顔をしたからか、聡は「ああ、すいません」と取り繕ったような笑顔と共に謝り、返してきた。 そしてそのまま言葉を続ける。 「澪さんこそ、どうしたんですか?」 「……律を待ってるんだ。どこに行ったのか知らないけど」 「姉ちゃん? ああ、姉ちゃんなら病院です」 私は反射的に声を上げる。 「病院……!?」 私の焦った声色は、聡には怒ったように聞こえたかも知れない。 聡はびくりと顔を一瞬だけ引きつらせた。私は心の中でだけ謝った。聡はすぐにいつもの顔に戻って、言う。 「いやただの風邪ですよ。昨日放っておいたからか知らないけど、結構高熱で。というか澪さんなら知ってたでしょ?」 そうだよ。調子が悪くて早退したのなら、病院くらい行くだろ。何を焦ってるんだ。 「そ、そうなのか。でも、なんでそれを?」 「下のテーブルにメモが置いてあったんです。病院に行く事と、あと体温と帰ってきた時間と」 「……いつ頃帰るとかは、書いてないのか」 「書いてないです。でも帰ってきたのが四時ぐらいで、今六時ですからね。もしかしたら病院、込んでたりしてるんじゃないかな」 四時……ということは、学校の授業が終わった後だ。 ムギたちの話だと、律が早退したのは三時頃の授業。 学校から律の家までは、三十分くらいだから……やっぱり普通に帰ったのかな。 「澪さんも帰った方がいいですよ」 「え、でも……」 「澪さんに風邪がうつっちゃったら、姉ちゃんもっと熱出しちゃいますから」 聡は無邪気に笑った。なんとなく背中を押された気がした。 「……うん、ありがとな聡」 「じゃあ俺、寝ますんで」 そう言って、廊下の向こうへ歩いて行ってしまった。 そういえばまだ中学に入学したばかりで、部活も大変なんだろう。 何部かは知らないけど、確か運動部だ。 私はずっと文化系の部だから、運動部の部活が終わった後の疲れを体験したことはなかった。 でも律は中学時代運動部だったから、部活を終えて一緒に帰る時いつも疲れたとか眠いとか垂れていた事を思い出す。 「はは……」 また律の事考えてるよ、私。 自嘲気味に呟いて、廊下を歩きだす。階段を降りる。 そのままふわふわとした浮遊感に身を任せるように、何の気なしにダイニングに入る。 聡の言っていた『下のテーブル』というのは、食事をするこのテーブルの事だろう。 そのテーブルにはペンと一緒に一枚の紙切れが置いてあった。殴り書きだったけど、律の字だ。 『病院に行ってくる。体温は38.5度。もし晩御飯の時私が帰ってなかったら、冷蔵庫の中の物適当に食べといて。四時、律』 簡潔な文章だけど、なぜか今は響いた。 高熱……大丈夫なんだろうか。 心配だけど、聡も言っていた。 風邪が移ったら、律がさらに熱を出す。 ――律の風邪が治るのなら、うつされてもいいのに。 でも、一緒にいたって律は体を休めることはできないし、逆に邪魔になっちゃうだろう。 それで私に風邪が移ったら、律はまた心配に心配を重ねてしまう。そうなるのは、私も嫌だ。 だから、嫌だけど、今日は帰ろう。 私は紙をテーブルに置いたままにし、ダイニングを出た。そのままゆっくり歩いて、玄関へ辿り着く。 玄関の壁に掛けてあった鏡をふと見た。 泣いていた。 「えっ……」 私は、驚いて顔を制服の袖で拭った。紺色だからか、水が染みて色が濃くなる。 「な、なんで……」 指で目を擦っても、指は濡れていくばかり。 袖で拭っても拭っても、制服は涙で濡れていくばっかり。 鏡の中の自分は、目の端っこからポロポロと水滴を落としていく。 なんでなんだよ。 律の事、何とも思ってなかったんじゃないのかよ。 律の事忘れかけてて、律のちょっかいや弄る行為が煩わしいって思ったんじゃないのかよ。 和と一緒にいるの選んだくせに。 もしかして、律の事をもう何とも――親友でも、大好きな相手とも思ってないんじゃないかって不安だったのに。 律への気持ちがなくなったんじゃないのかよ! 嘘じゃ、ないよね。 この涙は。流れてる涙は。 律のこと、もし忘れてたなら。 涙なんて流れやしないんだ。 律への想いが消えていたんなら。 こんなに会いたいなんて気持ちが溢れるわけないんだ。 だから私は――……。 「律ぅ……」 私は泣き崩れて、その場に座り込んだ。 「……っ……ひっく、う……りつぅ……」 律のために泣けてる。 私、律の事もうどうでもいいと思ってるんじゃないかって思って。 それで謝っちゃったのに。 まだ、律の事で泣けてる。 嬉しい。 嬉しい。 まだ律の事、好き。 好きなんだ。 頭の中、今、律のことでいっぱいだ。 会いたい。 会いたいよ……律。 もう忘れたりなんかしないから。 私をこんな気持ちにさせてくれるの律だけだから。 私をこんなに泣かせるのも、胸を苦しめてくれるのも――。 こんなに会いたいって思うのも、会えない事に切なさを感じるのも、話しかけてほしいって願うのも。 一緒にいたいって思うのも、ずっと一緒にいたいって思うのも。 律――。 聡が、あの時私の顔をまじまじと見たのは、既に泣いていたから。 無意識に泣いていたなんて、どれだけ律の事想ってたんだろう。 私は――。 私は、律が好きな私が好きだ。 だからまだ律のために泣ける事を――律の事が好きなんだってわかって嬉しかった。 律の事をなんとも思ってない自分になるのが怖かった。 いつまでも律を好きなままでいたかったんだ。 だから嬉しい。 律の事、まだこんなにも好きでいることが。 ■ 次の日の朝、律の家へ律を迎えに行ったら聡が出た。 「ああ、澪さん」 「……律は?」 「学校に行けるか微妙なんですよ。先に行っててください。まあ姉ちゃんの事だから行くと思うんですけど」 「うん……わかった」 本当は一目でも律に会ってから行きたかったが、仕方ない。 私は聡に一言声をかけてから学校へ行った。 二時間目が終わって、今は十時半頃だ。 私は律が来ているであろう二年二組へ向かった。 「……」 教室を覗く。 ――いなかった。ムギも唯もいないから、三人で何処かに行ったのかな。 「あ、澪ちゃん」 いきなり声を掛けられて驚いた。 素っ頓狂な声を上げてしまうが、横を見ると、声の主はムギだった。 横にはいつも通りな雰囲気の唯がいる。 律はいなかった。 「りっちゃんね――」 「あ、いや……律の様子を見に来たんじゃなくって、その……」 そうだったけど、そう言うのは恥ずかしかった。 私は後ろ髪を撫でて顔を逸らす。多分顔に出てたから、嘘だってバレたと思う。 「学校休んでるの」 私はそれに、小さく声を漏らすしかなかった。 律なら、意地でも来ると思ったけど。 それがちょっと、残念だった。 でもよく考えると、やっぱり学校で会わなくてよかったかもしれない。 もし律を見たら、泣いちゃいそうだったから。 無理しないで休んでくれた方がいい。 「……私、今日は部活休むよ」 「澪ちゃん?」 「授業終わったら、すぐに律の家に行く」 ムギが目を伏せながら「そうだね……」と囁いた。 なんだろうと私は思ったけど、律の事が心配なだけだと思って何も言わなかった。 唯は「それがいいよ」と賛同してくれて、一度に全員家に行くのは律も大変だから、最初は私一人で行って、他の三人は部活を終えてから来ると提案してくれた。 律と二人っきりにしてくれたんじゃないかと、なんとなく二人に感謝した。 戻|TOP|次
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http //www.superfly-web.com/ CDMind Travel Wildflower Cover Songs Complete Best 'Track 3' Box Emotions 恋する瞳は美しいSuperfly CD Mind Travel 2011年6月15日 ( HP ) 1. Rollin Days / 2. Beep !! / 3. Fly To The Moon / 4. タマシイレボリューション [ extended ver. ] / 5. Eyes On Me / 6. Deep-Sea Fish Orchestra / 7. Secret Garden / 8. Sunshine Sunshine / 9. Morris / 10. Wildflower / 11. Free Planet / 12. 悪夢とロックンロール / 13. Only You / 14. Ah Wildflower Cover Songs Complete Best Track 3 2010年9月1日 初回限定盤 ( HD ) Disc 1 1. Wildflower / 2. タマシイレボリューション / 3. Free Planet / 4. Roll Over The Rainbow Disc 2 1. Fooled Around And Fell In Love / 2. ( You Make Me Feel Like ) A Natural Woman / 3. Hot N Nasty / 4. ( Please Not ) One More Time / 5. Rhiannon / 6. Honky Tonk Women [ live ] / 7. Bad, Bad Leroy Brown [ live ] / 8. Heart Of Gold [ live / cover of Neil Young ] / 9. Desperado [ live ] / 10. My Brother Jake / 11. Rock And Roll Hoochie Koo / 12. Late For The Sky / 13. Piece Of My Heart [ live ] / 14. Bitch / 15. Water Is Wide Disc 3 1. Fooled Around And Fell In Love [ acoustic ver. / cover of Elvin Bishop ] Box Emotions 2009年9月2日 ( m01 ) 1. Alright !! / 2. How Do I Survive ? / 3. Searching / 4. My Best Of My Life / 5. 恋する瞳は美しい / 6. やさしい気持ちで / 7. 誕生 / 8. Bad Girl / 9. See You / 10. 春のまぼろし / 11. アイデンティティの行方 / 12. Hanky Panky / 13. 愛に抱かれて 恋する瞳は美しい 2009年7月29日 ( m01 ) 1. 恋する瞳は美しい 2. やさしい気持ちで 3. スキップ・ビート [ live from NHK Hall ] 4. Late For The Sky Superfly 2008年5月14日 1. Hi-Five / 2. マニフェスト / 3. 1969 / 4. 愛をこめて花束を / 5. Ain t No Crybaby / 6. Oh My Precious Time / 7. バンクーバー / 8. I Spy I Spy / 9. 嘘とロマンス / 10. 愛と感謝 / 11. ハロー・ハロー / 12. Last Love Song / 13. I Remember
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Paul Gilbert / Live In Amstelveen, Netherlands May 31th 2007 PEPPERMINT CREEPSLive @ Key Club January 30th 2005 Live In Hollywood, CA, USA June 27th 1999 Live In Hollywood, CA, USA February 28th 1999 Live In Hollywood, CA, USA March 29th 1998 POISONSeven Days Live Live In Atlanta, USA August 4th 2004 Live @ Irvine Meadows, CA, USA May 19th 1991 Live In Middletown, Fairgrounds June 2nd 1989 PRETTY BOY FLOYDLive @ Freak, Shinjuku, Tokyo December 18th 2005 Live @ Freak, Shinjuku, Tokyo December 17th 2005 Live @ Freak, Shinjuku, Tokyo December 16th 2005 Live @ The Whisky In Hollywood CA 2/26/05 Live In Italy February 14th 2003 Live @ Urga, Shinjuku, Tokyo July 19th 2002 Live @ The Wall, Shinjuku, Tokyo July 18th 2002 Live @ Heaven's Door, Sangenjaya, Tokyo July 17th 2002 Live @ Heaven's Door, Sangenjaya, Tokyo July 16th 2002 Live @ Heaven's Door, Sangenjaya, Tokyo July 15th 2002 Live @ The Wall, Shinjuku, Tokyo April 13th 2001 Live @ Roxy, CA, USA September 27th 1997 Sound Check @ Roxy, CA, USA September 27th 1997 Live @ Roxy, CA, USA May 14th 1992 Live In Sandiego, CA, USA 1989 Making Of Rock And Roll PSYCHO GYPSY / Video Clips 1994-1999 Paul Gilbert / Live In Amstelveen, Netherlands May 31th 2007 PEPPERMINT CREEPS Live @ Key Club January 30th 2005 Live In Hollywood, CA, USA June 27th 1999 Live In Hollywood, CA, USA February 28th 1999 Live In Hollywood, CA, USA March 29th 1998 POISON Seven Days Live 1. The Scream / 2. Strike Up The Band / 3. Ride The Wind / 4. Good Love / 5. Body Talk / 6. Something To Believe In / 7. Stand / 8. Fallen Angel / 9. Look What The Cat Dragged In / 10. Until You Suffer Some ( Fire Ice ) / 11. 7 Days Over You / 12. Unskinny Bop / 13. Talk Dirty To Me / 14. Every Rose Has Its Thorn / 15. Nothin But A Good Time Bret Michaels (vo,g), Richie Kotzen (g), Bobby Dall (b), Rikki Rockett (ds) Live In Atlanta, USA August 4th 2004 Bret Michaels (vo,g), C.C. Deville (g), Bobby Dall (b), Rikki Rockett (ds) Live @ Irvine Meadows, CA, USA May 19th 1991 Bret Michaels (vo,g), C.C. Deville (g), Bobby Dall (b), Rikki Rockett (ds) Live In Middletown, Fairgrounds June 2nd 1989 LOOK WHAT THE CAT DRAGGED IN / I WANT ACTION / GOODLOVE / BACK TO THE ROCKING HOUSE / I WON T FORGET YOU / FALLEN ANGEL / LOOKBUT YOU CAN T TOUCH / DRUMS SOLO / EVERY ROSE HAS ITS THORN / LOVE ON THE ROCKS / GUITAR SOLO / YOUR MAMA DON T DANCE / NOTHIN BUT A GOOD TIME / BASS SOLO / TALK DIRTY TO ME Bret Michaels (vo,g), C.C. Deville (g), Bobby Dall (b), Rikki Rockett (ds) PRETTY BOY FLOYD Live @ Freak, Shinjuku, Tokyo December 18th 2005 Steve Summers (vo), Michael Thomas (g), JK Famous (b), Todd Burr (ds) Live @ Freak, Shinjuku, Tokyo December 17th 2005 Steve Summers (vo), Michael Thomas (g), JK Famous (b), Todd Burr (ds) Live @ Freak, Shinjuku, Tokyo December 16th 2005 Steve Summers (vo), Michael Thomas (g), JK Famous (b), Todd Burr (ds) Live @ The Whisky In Hollywood CA 2/26/05 Live In Italy February 14th 2003 Live @ Urga, Shinjuku, Tokyo July 19th 2002 Steve Summers (vo), Chad Pole (g), Lesli Sanders (b), Dish (ds) Live @ The Wall, Shinjuku, Tokyo July 18th 2002 Steve Summers (vo), Chad Pole (g), Lesli Sanders (b), Dish (ds) Live @ Heaven s Door, Sangenjaya, Tokyo July 17th 2002 Steve Summers (vo), Chad Pole (g), Lesli Sanders (b), Dish (ds) Live @ Heaven s Door, Sangenjaya, Tokyo July 16th 2002 Steve Summers (vo), Chad Pole (g), Lesli Sanders (b), Dish (ds) Live @ Heaven s Door, Sangenjaya, Tokyo July 15th 2002 Steve Summers (vo), Chad Pole (g), Lesli Sanders (b), Dish (ds) Live @ The Wall, Shinjuku, Tokyo April 13th 2001 Steve Summers (vo), Keri Kelli (g), Lesli Sanders (b), Dish (ds) Live @ Roxy, CA, USA September 27th 1997 Sound Check @ Roxy, CA, USA September 27th 1997 Live @ Roxy, CA, USA May 14th 1992 Live In Sandiego, CA, USA 1989 1. Toast Of Town / 2. Rock Roll ( Is Gonna Set The Night On Fire ) / 3. 48 Hours / 4. Leather Boyz With Electric Toyz / 5. Wild Angels / 6. Dept. Of Youth / 7. Only The Young / 8. Rock And Roll Outlaws Making Of Rock And Roll Steve Summers (vo), Kristy Majors (g), Vinnie Chas (b), Kari Kane (ds) PSYCHO GYPSY / Video Clips 1994-1999
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http //www.shinyashinya.com/ member ROCK FUJIYAMA BAND, 大黒摩季とフレンズ, ex-LUNA SEA No Sticks ROCK FUJIYAMA BAND / Rock Fujiyama ( 2007年1月24日 ) 大黒摩季とフレンズ / Copy Band Generation vol.1 ( 2004年3月17日 ) LUNA SEA / Singles ( 1997年12月17日 ) No Sticks 1997年12月10日 1. How Come ? / 2. Sunny-side Up / 3. 地下水道 / 4. どんなに君を愛したか僕は今でも覚えてる / 5. 子供を作ろう / 6. A Song / 7. Trap / 8. 落下する太陽 [ album mix ] / 9. 最後のキスのし方 / 10. 漂流者 [ album version ] produced by 秋元康 arranged by 青柳誠, 井上鑑, 後藤次利 西平彰 真矢 (vo)
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ミクスチャー(rock the beatz) / MIXTURE 【ミクスチャー】 来ましたね~、リズムもギターもグイグイ来てます。BM COREREMIXからの登場だ。【配信時】 来ましたね~、リズムもギターもグイグイ来てます。このコアなサウンドがたまらない!【pm14~】 ミクスチャー(Jack) / MIXTURE 他のBEMANIシリーズへの収録 収録作品 関連リンク ee MALLの配信曲として登場した楽曲。 ee MALLの稼動が終了した後はポップンミュージック14 FEVER!において、隠し曲の全解禁に伴い他のee MALL初出曲と共に常時プレイできるようになった。 初出がbeatmaniaからの移植曲で、担当キャラクターはMZD(2-2P)→コサイン(14-2P)と変更されている。 楽曲の背景はヘビーメタルを流用している。 rock the beatz / ASLETICS BPM 100-122 5b-8 N-14 H-24 EX-× 新難易度 5Buttons NORMAL HYPER EXTRA (12) (20) (30) × ハードコア、ヒップホップ、テクノなどの攻撃的な要素がミックスされ、そこにロック的な要素で解釈した、まさにアグレッシブなトラック。beatmania COREREMIXからの曲ではあるが、サブタイトル通り、よりディープに、よりコアな感じになっている。一瞬メドレー曲と勘違いしてしまいそうな気が。なお、ポップンにおける音源の構成は移植元のANOTHERと同じで、最後の8分を含めて連打の回数が増えているもの。 BPMは118-100-122に付き、118もしくは122に合わせるとやりやすいが、BPM100の部分が案外長いので遅く感じるなら少々辛いかも。この部分はノーマル(=5鍵Normalの簡易版)では交互連打に注意。ハイパーは5鍵Anotherと同じく、3個押しの連打が3箇所に出てくるのでタイミングを間違えないように。ただし、ポップンでは5鍵のようにスクラッチが連打と絡んではないので連打に意識できる。他は乱打系統の配置が続くが、最後の8分同時押し連打はしっかりと拾いたい。 他のBEMANIシリーズへの収録 beatmania CORE REMIXで初登場。 ANOTHER譜面は少しアレンジに違いがあり(移植元での連打部分の連打数が各部分で倍になっている)、ポップンも音源がこれに相当する。 なお、サウンドトラックCDではBASIC・HARDと同じになっている。 収録作品 ※ee MALL関連曲の配信時期に関してはee MALL曲を参照。 AC版 ポップンミュージック9~ポップンミュージック13 カーニバル ee MALL曲として配信。 ポップンミュージック14 FEVER!~ポップンミュージック16 PARTY♪ 14の隠し要素全解禁から常時選択可能になった。担当キャラクターをコサイン(14-2P)に変更。 CS版 ポップンミュージック14 FEVER! 関連リンク 楽曲一覧/ee MALL (楽曲一覧/ee MALL 2nd avenue)
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「律ー、行くぞ」 「ちょっと待って」 私は玄関に立って、まだ二階にいる律に声を掛けた。 すぐに返事は聞こえるものの、どうやらまだ身支度は済んでいないようだ。 クローゼットを開け閉めする音や、ドタドタと慌ただしく歩く足音もよく聞こえる。 いつもこの時間に出発するのだからそれに合わせて朝起きろよと思うのだけど、 それでも直さない……この場合直せないというのが好ましいが、それも律らしいかなとは思うようになっている。 こうやって待っているのも、決して悪い気持ちではなかった。 ただ言いようのない不安は、心の中でせめぎ合っているけれど。 部屋から出てきた律が階段を降りてくる。 そして言った。 「ごめんな、澪」 寂しそうに、笑うんだ。 昔から悪いことをすれば謝るあたり真面目な奴ではあった。 律は普段は何気なく迷惑を掛けがちだったりたまに度が過ぎることもあるけど、それに酷く反省する性格でもあった。 だから高校時代も、律がたまに謝ることに特にどうということも感じず、律の人間性を度々よく思うだけだった。 でも、今は違う。 律は以前よりも、私に謝ることが多くなった。 どんな些細なことでも、私が指摘しようとしなかろうと、律が一瞬でも過失を認めた瞬間、 律は簡単に謝りの言葉を口にするのだ。 笑いながら、切なそうに笑いながら。 ごめんと。 正直、幼馴染を舐めないでほしい。 そんな謝罪の言葉も、無理に作ったような笑みも、結局全部私の胸を締め付けるものに変わっているのだ。 笑っている顔を見たところで、律の心の中にある辛さみたいなものを、手に取るように感じることができてしまうんだ。 「謝るなよ、いつものことだろ」 「ごめん」 律はまた笑いながら靴を履き替えると、外へ出た。私もその後ろに続く。 並んで道を歩いた。その中で、私たちは他愛もない会話をする。 小学生からの付き合いだから、何の面白味もない話題だったり、面白い事を話す事は幾度となくあっただろう。 その会話の内容が面白かろうとなかろうと、私は律と会話するそんなささやかな日常をもっと大事にしたかった。 だけど、律は前より冗談を言わなくなった。 私を弄ることも、怖がらせることもなくなった。 高校時代はそういうことも多かった。部活の中でも合宿でも、二人家で過ごしてる時も、律は私を何かと構っていたりしていた。 私も表面では嫌々言っていたけれど、それでも律とスキンシップできていると感じたり、構ってもらえるのはちょっとばかし嬉しくもあったのだ。 それなのに。 それがなくなったのは寂しい。 律は変わった。 私の好きな、元気でお調子者な律ではない。 だけど私の大好きな律であるのには変わりはない。 小さな矛盾。 律といるのは楽しいけれど。 どこか、悲しい。 ■ 予備校に着くと、講義室にはすでに生徒は集まっていた。 さすがは浪人生と言ったところか、高校みたいに誰かと喋ることなく黙々と問題集に向かっている。 シャーペンが紙を擦る音だけが部屋には響いていて、あまりに静かで入り口のドアを開けるのに躊躇する程だった。 「私もチャート式やろう」 入り口で立ち止まっていた私を抜いて、律は空いていた席を見つけて座った。 私も慌ててついていき隣に座る。 この講義室は、誰がどこの席というものが決まっていない。 だから誰がどの席に座っていようが構わないし、毎日席が違うこともある。今日は少し後ろの方だった。 律は席に座ると鞄を開いて、問題集を取り出した。それの端々から付箋が垣間見える。 (……すごい勉強してるんだな) 私は律のマジ顔を横で眺めていた。本来なら私もやらなきゃいけない。 だけど今はそんな気分でもなく、なんとも言えない気持ちで律を見つめることしかできなかった。 律は大学ノートの真っ白なページに数式を書き込んでいく。 ガリガリと文字を紡ぐシャーペンは、律の愛用のものだった。 黄色いのが律にピッタリで、高かったと言っていた。 大学受験の時はあんなに勉強を嫌がっていたのに、今はその欠片もない。 律の家に行けばいつだって勉強してるし、あんなに綺麗だったテーブルは参考書の山で埋め尽くされていた。 今唯とムギが通っている女子大はそこまでレベルの高い大学というわけでもはない。 だけど律は死に物狂いで勉強をしていたし、その努力に私は何も言えなかった。 ちょっと寂しいと言えば、バチが当たるだろうか。 少しの胸の痛みに気を取られている内に、律は問題集のそのページを終えて採点にかかっていた。 白かった大学ノートは数式で塗りつぶされ、その上にさらに赤い丸が刻まれていく。 そのページが満点であったと悟ると、私は小さく言った。 「すごい。百点だな」 律はこちらを見て少し驚いたような表情をすると、目を細めて笑った。 「……今の、昔の私みたいだったな」 そう言って、問題集を畳んだ。 『すごーい! 百点だ!』 小学生の時、律はそう言って私のテストの点数を皆にばらした。 今よりも恥ずかしがり屋だった私は、百点に寄ってくるクラスメイトにどぎまぎしていたし、こんな事になるのなら百点なんて取るんじゃなかったと後悔してたと思う。 それぐらい誰かと関わるのが苦手だったのだ。 苦手だから、誰とも友達じゃなくて。 朝学校に来たって誰とも挨拶なんてしなかったし、休み時間は本ばっかり読んでた。 それでいいと割り切ってただろうし、その方が落ち着いてた。 友達なんて欲しくないと無理に思いこんでたんだろう。 でもやっぱり寂しかった。 誰かと笑ってたかった。一緒に遊びたかった。一緒に歩いたり、話したかった。 面白い話で笑いあいたかったし、手を繋いでいたかった。 その癖自分からそうしようとしない辺り、私は本当に臆病者だった。 そんな勇気もないから本心を偽ってた。 皆もそういう私にあんまり関わらなくなって、私の周りはいつだって静かだった。 誰か話しかけてくれないかな。 ちょっと望んでた。 そんな時、律と出会ったんだ。 『じー』 昼休みに本を読んでいる私を、隣の席に勝手に座って頬杖を突いてこちらを見つめてきた律。 クラスメイトだったから名前は知ってたし、目立つ子だったから自然と覚えていた。 だけど向こうは私など眼中になかっただろうし、会話したのも一度や二度程度だった。 『……』 恥ずかしくなって目を泳がせていると、律は意気揚々と尋ねた。 『何読んでるのー?』 『ひっ……』 『ねえ、見せて見せて』 あの時は律が怖かったかな。 でもやっぱり話しかけてくれたのは、何処か嬉しくもあったのだ。 それから色んな事があって、律とは友達になった。 私は律になら素の自分を見せられるし、律といるのが私の幸せだとも言える。 今は親友。それでよかったけど、私の気持ちはそこまでなんだろうか? 『すごーい! 百点だ!』 律はあの時そう言ってくれたんだ。 ちょっと意地悪だったけど、律の笑顔が大好きだった。 でも。 回想から回帰した。 「……昔の律ってなんだよ……律は律だろ」 私は無意識にそう漏らしていた。 認めたくなかった。 律は変わったんだ。 そう認めたくなかった。 律が前と今で違う律になってしまったことを。 「そうだけど……今の私は、昔みたいに誰かの事を弄れないよ……」 語尾は聞き取りにくいほど小さかった。 律は悲しそうに眼を伏せた。 「ごめん」 また謝った。同時に先生が教室に入ってきた。 「始めるぞー」 律に掛ける言葉がなかったから、少しだけ先生に感謝した。 ■ 私だけ大学に落ちた。それだけ。 もう最悪なんてもんじゃなかった。最悪を何乗したって辿り着かない絶望。 絶対合格だって自信を持ってたわけじゃない。そりゃちょっと不安だったさ。 あんなに勉強できる澪だって落ちるかもって思ってたんだ。逆に私が落ちない方がおかしいって。 私が落ちない方がおかしいんだ。 澪は公立の推薦狙えるぐらいだから元より頭がいいし、ムギも成績はよかった。 唯は私と同じぐらい勉強は苦手だったけど、それでもギターを触らない分勉強の方が伸びた。 和も唯の極端な所を指摘していたから、唯は今度は極端に勉強の方に才が働いたのだろう。 駄目なのは私だった。 私の番号はなかった。 不合格発表を見た後、私はすぐに走り出した。 もう情けなくて、自分を殺してやりたいぐらいだった。 合格不合格に一喜一憂する人ごみをかき分けて、とにかく走った。 澪たちとは顔も会わせたくなかった。 もう必要ない受験票はビリビリに破いた。 念のため持ってきた直前対策の参考書は、道中に見つけたゴミ箱に投げ捨てた。もう走って走って、声を上げた。 奇声だったかもしれない。 大学から出てもう道なんてどうでもよくなって、もう何もかもどうでもよくって。 過去に戻りたくて。 でも戻れない。 楽しかった時間は台無し。皆で夢見てた、四人で同じ大学って夢も台無し。 もう全部全部台無しだ。 私の所為だ。 全部全部私の所為なんだ。 息に詰まって足も疲れて、立ち止まったらそこは駅前だった。 昼時だけど人は少なく、よく見れば私の家のある方面への電車が一本あるようだった。 澪たちに悪いとは思ったけど、一人で電車に乗った。 私の乗った車両に、誰もいない事を幸運に思った。 何やってんだろう。 馬鹿だ馬鹿だ。 もう駄目だ。 もう皆とは友達じゃいられない。澪にだって嫌われたに決まってる。 裏切っちゃったんだ。 皆の想いを、気持ちを。 四人で一緒の大学に行くって。 そんな幸せな未来、一旦ぶち壊しにしちゃったんだ。 ぶち壊したのは誰だ? 私だ。 全部全部ぜーんぶ私が悪いんだ。 涙が止まらない。 胸の痛みが収まらない。 マフラーはびしょ濡れ。 スカートもびしょ濡れ。 情けねーよな、馬鹿律。 馬鹿律。 馬鹿律。 何が部長だよ。何が皆のアイドルだよ。 結局怠けて何一つできないで、調子に乗って舐めてかかって受験に失敗する馬鹿じゃん。 「はは……」 そうだよ馬鹿なんだ。 いっつも澪をいじってばかりで。唯と一緒に笑ってるだけで。ムギのお茶飲んでるだけで。 結局何もしない、何もできない弱虫でちっぽけな奴なんだよ。 それでいいんだ。 有言実行もできやしない部長なんていらない。 もう私は放課後ティータイムのリーダーでもなんでもない。 澪の親友なんかでもない。 唯やムギの友達でもない。 梓の頼れる先輩でもない。 そういうの全部崩れちゃったんだよ。 戻|次
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和に嫉妬したことがあった。 私と澪のクラスは別れてしまって、なんとなく笑い話に澪のこと笑ってた私だけど、本当に寂しかったのは私の方だったのだ。 『二年一組秋山さん』と『二年二組田井中律さん』という仕切りに、違和感も途方に暮れていたし、澪に突っ込んでもらわなきゃ収まりがつかなかった。 だからって休み時間、毎度澪に会いに行こうとも思わなかった。 そうすることは、私の澪への言葉の裏切りになってしまうから。 寂しかったら、いつでも遊びに来ていいんだよ。 寂しいのは私のくせに。遊びに来てほしいのに。 私は寂しくない振りを装った。その装いは、本当にしなきゃいけないから。 寂しいのなら、いつでも遊びに来ていいんだよと私は言ったんだ。 それは、澪が寂しいと思う事を前提とした言葉で、『私が』寂しいから、という意味合いじゃないと誰だって受け取るだろう。 遊びに行くではなく、遊びに来てもいいよなのだ。 それは、寂しさのベクトルが違う。いつも一緒にいて、寂しかったら会いに行くのだ。 だから、私は寂しくないと振舞わなきゃいけなかった。 唯やムギといつも一緒にいて、新しい友達も何人か作った。 それと同じように、澪も前々からの知り合いといつも一緒にいて、新しい友達を作るんだ。 私だけが何かをするわけがない。 私がすることや、誰かがすることを、澪だけがしないわけがない。 澪だって新しい友達に出会ってしまう。 それが怖くて溜まらなかった。 なんて私はわがままなんだって、思った。 澪は私だけのものじゃないのに。澪の友達は私だけのはずがないのに。 澪の大事な人は私だけのはずがないのに……そう思うけれど、澪が他の誰かと楽しそうにしているのが、とても辛かった。 もう私の事、忘れちゃったんじゃないかって不安で。私の事を特別に見てくれていないんじゃないかって心配で。 だから一際仲良くなっていた和には、いろいろときつく当たったこともある。 喫茶店でお茶をして意気投合する二人に突っ込んでぶち壊しにしたり、二人で楽しそうにしているランチタイムに突撃したり。 せっかくそれを中止してまで昼練に来てくれた澪に迷惑をかけたり、結局喧嘩になって。 本当にサイテー野郎だなって、当時は思った。 だから昼練の時、頑張れなかった。澪に、和に申し訳なくて。 ドラムを叩いたって、澪のベースに重なってみたってつまらなくて。 こんなんじゃ駄目だって思ったし、頭の中や心の中にモヤモヤした黒いのが広がって、キリキリ痛くて。 『ごめん、なんか調子でないよ』 また放課後ね。 そう言って、皆を放置して逃げ帰った。 授業にも出ずに、昼休みの喧騒に包まれた教室に戻って、鞄を掴んでさっさと学校を出た。 皆はどう思ったか知らないし、もしかして嫌われたかもって思ったけど、誰かの大切な時間をぶち壊しにする奴は嫌われてもいいんだ。 澪があんなに楽しそうに笑ってた時間を、私のわがままやただの嫉妬で崩しちゃうような奴は、嫌われて当然だって。 本当は嫌われたくないくせにな。 でも嫌われて当たり前な事してるんだから、そうなるよ。 だっせーな田井中律。 そう思ってた時期と、今の私は似ている。 嫉妬して、澪を――軽音部の皆を困らせてた。迷惑掛けて、一人だけ塞ぎこんでた。 あの時の私にそっくりだ。 受験に失敗して、澪を――四人を困らせて、会いたくないと泣きごとを言ってる。 もうあんな風にならないって決めてたけど、やっぱりなってるじゃん。 あんなに澪にたくさんの物をもらったのに。 私はまだ、それを返せていないんだ。 ■ 律の様子がおかしくなった時の事はよく覚えている。 ■ 私が和と唯とお茶を飲んでいて、唯の事について話が盛り上がった時だ。 突然現れた律が、隣に座りながら私にぶつかってきたのだ。 「律、なんでここに?」 帰ったのかと思っていた。私は和たちとお茶をすると言っても、律は何も言わずに無表情だったから。 てっきり私も行くと言い出すかもと思っていたけど案外そうでもなくて、律はムギと梓を連れて街中へ消えていったのだ。 「いやー、たまたまねー」 そう笑った律は、なんだか変だった。 たまたまって、さっき私と唯とは逆の方へ行ってたんだけど……とは突っ込めなかった。 律の笑みはなんだかぎこちなくて、どこか作っているような違和感が拭えなかったのだ。 それから和に愛想よく挨拶する律に、私は声をかける。 「ちょっ、律」 「なに? なんか嫌なの」 律が眉を寄せる。顔が迫ってくるのに、私はまた変な感覚を覚える。 「いや、そうじゃないけど……」 なんだってこんなに突っかかってくるんだろう。 そりゃいつも突っかかってくるし、いじりもするし構ってくるけど、露骨に私にベタベタするなんておかしい。 二人きりでとかなら何度だってあるのはある。だけど笑顔を崩さないまま唯と和に話しかけている。 どうしたんだよ、律。 律が部室を出て行った。 「りっちゃん――」 「いいよ、唯」 律の出て行った扉から目を逸らす。 ……馬鹿律。 何やってんだよ律……律がいなきゃ始まらないってのに。 「……どうします?」 梓が心配そうな表情で言う。私はそんなのに全然考えが回らなくて、出て行ってしまった律のことで頭がいっぱいだった。 どうしてどうして。 律があんなに悲しそうな表情で俯いていて、何の理由も言わずに出て行ったこと。 その理由を探すことだけが頭に巡っていたのだ。 「あ、ええと……」 声に出したけど、何も出ない。 「練習……する?」 ムギが私たちに目配せした。練習……律なしで。 それはしたくないし、律がいなきゃまとまらない。 ドラムという重要な楽器が鳴り響かないのはもちろんだし、律という部長でもあって大事なムードメーカーがいない。 律の元気なワンツーという掛け声がないと、締まらない……さっきも元気はなかったけど。 なんで律はあんなに変なんだろう。 私、何かしたのかな。したんだったら、謝らなきゃいけないのに。 意識を戻すと、長く沈黙が続いていたようで、皆が私を見ていた。 「じゃ、じゃあメトロノームでやろう」 律のドラムじゃなきゃ嫌なのに、適当に言ってごまかした。 それに、律に声をかけようとした唯の声を無理やり止めておいて、今から律を追うのはあまりに自分勝手だ。 せっかく昼に集まったんだし、嫌だけど律なしで練習した方が私も気が紛れる。 棚の上にあったメトロノームをソファの上へ移動させ、曲のリズムに合わせる。 カチ、カチという久しぶりに耳にした音を頼りに、せーので演奏をした。リズムを取ってくれているので、もちろん全員の演奏はピッタリあう。 むしろ律よりも全然走っていないし、強弱もないから重なりはバッチリだった。 私は気張ることなくピックで弦を弾いた。 だけど。 だけどこんなの、つまらない。 私たちの曲になっていない。 私はベースの運指をやめて、演奏の途中で俯いてしまった。 突然ベースの音がなくなった事に驚いたのか、ムギ、梓、唯、と徐々に演奏を中止し、音は減って、 最後はメトロノームが寂しくなっているだけになった。 「やっぱり、もうやめにしよう……」 皆の意見を聞かずに、私はベースをホルダーに置く。そして持ってきた荷物を持ってすぐに部室を出た。 部室を出るまでは平静を装って歩いていたけど、部室の外へ出て扉を閉めた瞬間、私は走り出した。 律に会って、話さなきゃ。 二年二組を覗くと、律はどこにもいなかった。 まだ昼休みなので教室はざわざわとしている。 知らない人たちばっかりで私も少し緊張するが、律を探すことに躊躇はなかった。 (……律) 入り口でキョロキョロしていたからなのか、律と同じクラスの人が話しかけてきた。 「誰か探してるの?」 人見知りの性か、どぎまぎする。でも、一応言葉は紡ぐ。 「え、いや。ええと、田井中律は……」 「田井中さん? 午前中までいたけど、いないの?」 彼女は教室の中を見ながら言った。それから少しして、何かに気付いたように、あっと漏らす。 「田井中さん、帰ってる」 「――えっ?」 「だってほら、田井中さんの席はあそこだけど、鞄がないよ」 ほらあそこあそこ、とでも言うように教室の中を指さす彼女。 私は少し戸惑いながら、指の向いている方向にある机を見た。 不自然なほどポッカリと、何も置かれず、誰も座っていない机があった。 その周りでは、いろんな人が談笑しているというのに。 律が、帰った……? まさか。中学でも皆勤もらうような奴だぞ。調子悪くても意地でも授業には出るはず。 それなのに昼休みの内に帰ってしまうなんて……ありえない。 ありえたかもしれないし、私が知らないだけかもしれないけど、私の知っている律は早退なんてしなかった。 律――……。 「あ、ありがとう……」 私は無気力に囁いてその場を後にした。 自分の教室に帰って、一人で机に伏せる。 一人ぼっちで、話す友達もいないから寝てるふりをしているように見えるかもしれない。 だって教室は、友達とわいわい盛り上がって話をするクラスメイトで溢れかえっていた。 その中に一人ポツンと、机で顔を伏せている子がいる。こんなに場違いなことはない。 だけど昔はそうだった。盛り上がっている教室の中で、一人で静かにしている私。 その私に話しかけてくれたのは律だ。 だからこうして一人でいれば、また律が出てくるんじゃないかって。 帰ったけど、何してるのって私に話しかけてくれるの待ってる。 だけど、結局昼休みは終わってしまった。律は来なかった。 授業中は律の事をずっと考えていて、授業の内容はまるで頭に入らなかった。 動き出したい衝動でじりじりと心が疼いたり、律がどうしてるのかとか、なんであんなに悲しそうに俯いていたのか、考えるだけで苦しい。 数学のノートを取れなかった。和に見せてもらいに行った。 「ごめん和。さっきの数学のノート、見せてくれないかな」 「え? 澪、授業出てたでしょ?」 「……全然取らなくて」 授業に出てたのに、先生が黒板に書いていた数式やポイント、公式も全部書き逃すなんて。 普通に考えるとおかしい。考え事をしてたって言うと、また和は詮索するだろう。 律の事だなんていうと、また心配させてしまう。 「澪が授業中にボーっとするなんて、珍しいわね」 「……ごめん」 「何かあった?」 「いや……でも、ありがとう。すぐに返すよ」 受け取って、すぐに自分の席に戻る。白紙のノートに、和のわかりやすいノートを書き写していく。 誰かにノートを見せてもらうなんてことはあまりないから、 少し馴染まない感覚がある。ノートを誰かに見せる事は慣れてるのに――。 誰かじゃなくて、律だけだ。私がノートを見せるのは。 そう思うと、また心が軋んだ。 放課後部室に行くと、みんな揃っていた。 「さっきは、ごめん。何も言わず、戻っちゃって」 謝ると、皆はそんなことないよというように笑ったりしてくれた。 また一つだけ、席がポッカリ空いている。 律が来ていない。 その事実を突きつけられたような気がして、私は入り口で少し立ちつくした。 なんだよ……放課後にって言ってただろ……。 伝わるはずもない声を、心の中で律に伝えた。また放課後ねって言ったじゃないか。 そう言って出て言ったじゃないか。 たとえ家に帰っても、放課後になったら来るんじゃないかって、ちょっとだけ期待してたし、そうしてくれるとも思っていたのに。 「澪先輩?」 「……あ、ごめん」 梓の声で我に返ると、扉を閉めてソファに鞄を置いた。 鞄は四つ、か。 律がいないのが、こんなにも堪えるなんて。 私はいつも席に座りながら、律と同じクラスの唯とムギに尋ねた。 「律、は……?」 わかっていた。でも。 二人は目を逸らして言いにくそうにしたが、唯が言う。 「りっちゃんね、調子悪いらしくて早退したんだって」 「誰から聞いたの?」 「担任の先生だよ。りっちゃん、帰る前に先生に言ったらしいんだ。調子悪いので帰りますって」 「そ、そうなんだ……」 唯の言葉を聞いたところで、私の心は晴れやしなかった。 律が帰ったのはわかってるんだ。早退したのだって、多分そうだろうなって思ってたんだ。 だから、予想通りの言葉しか唯たちから聞けない事に、不安はまた増していく。 律。 律は今……何してるんだ? そんなことを考えながら、皆自分の席に座って、何も話さないままじっとしていた。 沈黙は貫かれ、何分何十分も経って――だけど、律は来ない。私の真正面の席で、笑ってたあいつがそこにいない。 あるのは、『何もない』がある。私の頭で笑ってる律の顔だけがそこにある。 その日の放課後は、律は来なかった。 練習もせずに、皆気まずい中お茶をするだけに終わった。 帰りに律の家に行けば会えるのに、私はなぜか怖くて、寄りもしなかった。 それに、あんな態度取っておいて何様なんだよ私。 律にあんなに怒鳴っておいて。 次の日の朝、律を迎えにいかなかった。 不安だった。会いたいのに、昨日喧嘩みたいな事をしてしまったから。 学校で謝ろう。放課後、部室でいつものように接しよう。 そう思って、私は律の家を通り過ぎた。 放課後。部室に律の姿はない。 唯たちによれば、学校には来ていたというのだ。 三人で弁当を食べたとも言っている。調子が悪かったんじゃなかったのだろうか。 「様子は……どうだった?」 「なんかね、ぼーっとしてた。話しかければ反応はするのに、自分からは何も話さなくて」 あの律が自分から会話を吹っ掛けないなんて。 相当、何か抱えてる。 「それで部活に誘わなかったんですか?」 梓が尋ねると、ムギは申し訳なさそうに俯く。 「ごめんなさい……りっちゃん、トイレに行くって行ったっきり戻ってこなくて」 そしてそのまま早退したらしい。教室に置きっぱなしだった鞄は、先生が持っていたとか。 恐らく律は最初保健室に行ったんだろう。そして先生が鞄を律の元へ持っていき、そのまま律は早退した。 それはムギの所為じゃないよ、と私は囁くけれど、もし私が同じクラスで、律の様子がおかしかったらいつも一緒にいると思う。 だからってムギたちが悪いわけでもない。悪いのは。 ――悪いのは、誰なんだよ。 皆を困らせてるのは律だ。だけどその律が今何かに困っている。 だからこそ皆に迷惑をかけている。なら、その困っている原因を作ったのは誰なんだ。 ……私、なのだろうか。 昨日から――いや、和とお茶を飲みに行った時から、律の違和感は感じていた。 あの時、私は律に何かをしてしまったんじゃないか。 律を傷つけるような事、律を困らせたり悩ませる事を、言ってしまったんじゃないのか。思い出せ私。 何かしたら謝らなきゃいけないって、昨日から思ってるだろ。 しばらくして、さわ子先生が来た。 つまらない事を言ったり、律がヘヴィメタに進むとか…… 今の私にとってはどうでもいい事を延々と述べていたけれど、それは私たちに落ち込むなと言いたげな口調だった。 くよくよするなということだろうか。 元気づけるためにそんな話をしているのなら、ありがたく思う。 思うけど、喜べない。 今日はもう、律はやってこない。 私は、立ち上がった。 「練習しよう」 学園祭も近いから、律なしでも少しぐらいは練習しなきゃ……。 昨日の昼に私も練習切りだしてさっさと逃げたけど、でも律がいないことに嘆いてたら、学園祭に成功はない。 律は、戻ってくるんだ。その時、下手になってたら駄目なんだ。 今日はもう律は来ないかもしれないけど、明日だってある。今日部活が終わったら律の家に行って、話す。 そしたら明日にでも来てくれるかもしれない。もしその時腕がなまってたら、笑われてしまうから。 そう言い聞かせて。 「律先輩を呼びに行かなくていいんですか?」 「仕方ないだろ……」 そうだよ、仕方ないんだよ。 そう言い聞かせなきゃ、もう収まりがつかなかった。 律がいない。それでどうするんだ……練習しなければいいって? しなかったらどうするんだ。 このまま律を待つのか? ずっとずっと律を待ってるのか? 『放課後ね』って言った律の言葉を信じたいよ。律の言葉、私だってずっと待ってたい。 そうなるの、信じてるのに。 呼びに行く。律を? 無理やり連れてきたって、楽しい練習なんてできやしない。 律は来ない。 来ない、来ない。 もうそんなの考え続けるの、嫌だ。 練習してた方がマシだ。律に想いを巡らせて静かな時間を過ごすこと。 律がいないままずっと静かにいること……そんなの辛い、苦しいなんかじゃ済まない。 だったら練習して、時間を忘れてさっさと済ませた方がいい。 練習に『さっさと』という扱いをするのは気が引けるけれど……。 「このまま、律先輩が戻ってこなかったら……」 梓が突然そんな事を言いだす。 「もしくは代わりを探すとかね」 さわ子先生が、切り出した。 「っ……」 代わり? 律の代わりなんて――律じゃなきゃ、律じゃなきゃ。 私嫌だ。 「りっちゃんの代わりはいません!」 そう言い放ったのはムギだった。普段からは想像できない怒声。 私も怒鳴りたいくらいだった。律の代わりはどこにもいない。 走り気味でリズムキープも大変だけど、勢いがあって力強くて――そしてそんなドラムを叩く律の事が大好きなのに。 例え同じようなドラムテクを持っていて、走り気味で、大雑把なドラムを叩く人がいたって、律を選ぶ。 梓は、律のこと信じてないのかな。 さわ子先生は、バンドメンバーは誰でもいいなんて思ってるのかな。 そんなはずないだろうとは思うけど、律の事信じてたら、帰ってこないなんて思えない。 本当に五人の大切さを知っていたら、律の代わりがいないことなんてわかるのに。 帰ってこないわけがないんだ。 ここには律がいなきゃいけないんだ。 ■ 澪ちゃんが悪いんだ。りっちゃんが調子を悪くしたのは澪ちゃんの所為なんだ。 りっちゃんという相手がいるのに、和ちゃんと仲良くなって。どうしてそこに察することができないんだ。 いつだって一緒にいたのに、クラスが分かれたからってりっちゃんとはあまり話さなくなるなんて、りっちゃんの気持ちがわかってないんじゃないかって思う。 そりゃ澪ちゃんも、りっちゃんが大事なんだってわかってる。 さわ子先生も含めた五人で座って待っている時、澪ちゃんはずっと目を伏せて、悲しそうにしていた。 ときどき唇を噛み締めたり、拳を握り締めたり。葛藤や焦りみたいなのが、澪ちゃんの表情から読み取れていた。 やっぱりりっちゃんの事を心配しているようだった。 さわ子先生が言った。 「もしくは代わりを探すとかね」 その言葉は、私にも響いた。 りっちゃんの代わり。 それはりっちゃんを捨てて、別の誰かで演奏をするということ。 そんな事、駄目だって自分の心が怒りに湧いた。 だから、いつもの私とは違う声で叫んでいた。 りっちゃんの代わりはいないんだと。 澪ちゃんからりっちゃんを奪えないのはわかっているけれど、奪ってしまいたい私がいるんだ。 でもそうするのが、二人の幸せを壊すことに繋がる事を私は知っている。 りっちゃんと澪ちゃんは、お互いを気遣いあいながら生きている。 だけど、その気遣いと相手に対する想いの余り、すれ違いが起きやすい。 すれ違いが起きる事は、相手を想う裏返し。 私じゃ澪ちゃんに敵わないって、多分一年後も、二年後も思ってるだろうな。 ■ また律先輩は、澪先輩を困らせている。 なんでか知らないけれど、昼休みの昼練習の時、律先輩は澪先輩にちょっかいを出してばかりだった。 澪先輩の髪をやたら構ったり、怖いDVDを持ってきたり…… 律先輩の笑顔は、いつも見たいに元気な笑顔だったけれど、無理やり作っているような陰りのある顔だった。 何してるんだ律先輩って思った。澪先輩はやめろって言ってるのに。 私はまあいつものように終わるだろうと思った ――本当は澪先輩が律先輩と触れあってるところを見たくなかった――ので、アンプの音量を調節したり、チューニングを唯先輩としていた。 だけど、突然澪先輩が怒鳴ったのだ。 「そんなこと言ってないだろ!」 澪先輩の声は、今まで見てきた澪先輩の、一番怖い声だった。 律先輩と澪先輩は睨みあって、お互いがお互いの事を――そうだと思いたくはないけれど、とっても憎たらしいような目をして見ていた。 あの律先輩が……澪先輩の事をいつも構って大事にしているのに、眉を寄せて睨んでいる。 澪先輩は歯を噛み締めたように顔を強張らせていた。 ムギ先輩がお菓子の話をし始めた。おいしいタルト。 そんな事を言われても、二人の間を割る事に繋がらない。 ど、どうしよう。なんとかしなきゃ……。 ふと床を見ると、さっき唯先輩につけてつけてと言われていた猫耳が落ちていた。 少し恥ずかしいけれど、二人の空気をいい意味でも悪い意味でも断ち切るにはこれでもなんでもいい。 とにかく何かしなきゃ! 羞恥心を捨てて、猫耳を付けて言った。 「み、みなさん! 仲良く練習しましょう……うぅ……」 思いっきり声を上げたが、皆呆気にとられた顔で私を見ていた。 は、外した……。 数秒の沈黙がザクザク胸に刺さる。 ところが。 「そうだな……」 律先輩の声だった。 顔を上げると、澪先輩が目を逸らして床を見つめていた。律先輩は、後ろめたそうにしている。 「練習するか……」 「うん……やろっか」 やった、私の恥は無駄じゃなかった。 律先輩も澪先輩も自分の持ち場について、少しだけ調整をする。 私は、なんとかできたと嬉しかったけど、澪先輩の横顔は思い詰めたような表情である事に気付いて、そんな気持ちはなくなってしまった。 思わずピックを落としそうになるけれど、持ちこたえた。 なんだか、複雑。 律先輩のワンツーの掛け声で、演奏を始める。 学園祭近いから頑張って、澪先輩に褒めてもらいたい。 滑って落としそうな不安の汗の事なんか忘れて、指を動かす。 イントロから順調に演奏する。 けど――あれ、ふわふわ時間ってこんな曲だったかな、と思うほどに力強さも何もない演奏に自分がおかしくなったんじゃないかと思い始めた。 チラリと横を見ると、ムギ先輩が私の後ろ――つまり律先輩の方を見て不安そうにしていた。 私も気になって振り返る。 走っていないドラムと、正確なリズムキープ。 すごい。すごいけど。 律先輩じゃないみたいだ。 澪先輩を一人占めしてしまう律先輩はあんまり好きじゃないけれど、バンドの仲間として、先輩としては大好きなのに。 走り気味で少し力み過ぎなドラムも、律先輩だからこそだと思うのに。 そんな律先輩のドラミングを、いつの間にか全員が、不思議そうな顔で見ていた。 もちろん澪先輩も。 一人一人その違和感に耐えれなくなって、演奏を中止する。 律先輩もそれに気付いて、キリよく演奏をやめた。そして俯いてしまったのだ。 「律……?」 澪先輩が名前を呼ぶ。 律先輩は答えない。 「あのさ、ドラム走らないのはいいけど……パワー足りなくないか?」 澪先輩も私と同じことを思っていたんだろう。 きっと澪先輩は、誰よりも律先輩の事はもちろん、律先輩の大雑把なドラミングが好きなはずなのだ。 長年一緒にいたんだから、ちょっとの変化だって見過ごせやしないだろう。 そんな澪先輩の心配をよそに、下を向いたまま何も言わない律先輩。 「おい、律!」 澪先輩が今度は強く律先輩の名を呼ぶ。 律先輩はよろめきながら立ち上がって、謝った。 「ごめん、なんか調子出ないよ」 一瞬だけ見えた律先輩の顔は、悲しみの色に染まっていた。 「また放課後ねー」 そう言って、先輩は出て行ってしまった。 「りっちゃん――」 「いいよ、唯」 何か声を掛けようとした唯先輩を、澪先輩が止める。 そして澪先輩は、切なく目を細めた。 また、また。また律先輩は澪先輩を困らせた。 あんなに切なそうな目をした澪先輩は初めてだ。 そんな顔にしたのは律先輩で、澪先輩にそんな顔をさせられるのは律先輩だけだ。 やっぱり敵わないのかもしれない。 多分、一年後も二年後も思ってるんだろうなあ。 戻|TOP|次
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SHOW BY ROCK!! 登場バンドプラズマジカシアン Mashumaireshほわん マシマヒメコ デルミン ルフユ シンガンクリムソンズクロウ DOKONJOFINGERヤス 徒然なる操り夢幻庵阿 吽 ダル太夫 トライクロニカシュウ☆ゾー REIJINGSIGNALララリン スモモネ ういうい クリティクリスタロージア ツキノ ホルミー ジャクリン ARCAREAFACTチタン オリオン セレン アルゴン BUD VIRGIN LOGIC Yokazenohorizonリカオ ゼロティックホリックぎゃらこ しまっく れっぱにょ ギリリ 忍迅雷音 しにものぐるい ウワサノペタルズしばりん 雫シークレットマインド すたっどばんぎゃっしゅ ドロップアウト先生 ガウガストライクス バイガンバーV デモンズベノム アリスビーンズ ドーリィドルチ ラボムンク ラペッジオート チャーミーチャプレッツ 04Tobizbits テケバキツ荘 シロラクロスカ? その他 ダークモンスター アニメ版キャラクター コメント タイプ1:フェアリー タイプ2:でんき サンリオによるバンドがテーマのキャラクタープロジェクト。公式略称は「SB69」。2013年にスマートフォン向けゲームアプリが配信。2015年にはアニメ化された。 登場バンド プラズマジカ タイプ:でんき・フェアリー シアン ニャスパーorニャオニクス♀orゴチミル:暗闇(ゴースト)が苦手な猫ポケモン。後者は人間態から ペルシアン:ネコ+名前ネタ ゼルネアス:伝説のポケモンで統一するなら エーフィorニンフィア:ブイズで統一するなら 性格:むじゃきorようき(アプリ)、おくびょう(アニメ)、すなおorがんばりや(共通) 備考: ミミロップ:チュチュ ガーディ:レトリー モココ:モア Mashumairesh タイプ:ほのお・フェアリー ほわん ロコン(アローラの姿):白いキツネだから ホウオウ:伝説のポケモンで統一するなら メガリザードンXofメガリザードンY:メガシンカから プテラ:化石に統一するなら ブースター:ブイズで統一するなら 性格:すなおorがんばりや 備考: マシマヒメコ エネコロロ:派手な色をした猫だから メガライボルト:メガシンカから デルミン メガボーマンダ:デビルミント鬼龍族だから+メガシンカから ルフユ ルガルガン:狼と言うイメージから どの姿でも可 メガヘルガー:メガシンカから シンガンクリムソンズ タイプ:あく・フェアリー クロウ 色違いサンドパン:ハリネズミかつ寒さ(こおりタイプ)に弱いので ニャオニクス♂:シアンと対にするなら イベルタル:同上+伝説のポケモンで統一するなら ブラッキー:ブイズで統一するなら 性格:やんちゃorいじっぱり 備考:持ち物にモーモーミルク(牛乳)推奨 アブソル:アイオーン ゾロアーク:ヤイバ レパルダス:ロム DOKONJOFINGER タイプ:あく・かくとう ヤス アーマーガア:八咫烏かつキョダイマックスで統一するならで統一するなら 備考: スピアー:ハッチン ファイアロー:ジョウ パルスワンorウインディ:双循 徒然なる操り夢幻庵 タイプ:ほのお 阿 キュウコン: クチート:人間態から 吽 コラッタ: タブンネ:人間態から ダル太夫 ダルマッカ:はらだいこ必須 トライクロニカ タイプ:でんき・ドラゴン シュウ☆ゾー 色違いルカリオ ジラーチ:雰囲気+七夕生まれなので レックウザ:伝説のポケモンで統一するなら サンダース:ブイズで統一するなら 色違いレックウザ:シュウ ロムと組もう トリトドン(ひがしのうみ)orフィオネorグラードン:リク トリトドン(にしのうみ)orマナフィorカイオーガ:カイ REIJINGSIGNAL タイプ:でんき ララリン サンダース:ブイズで統一するなら スモモネ ブースターorニンフィア:ブイズで統一するなら ういうい グレイシアorシャワーズ:ブイズで統一するなら クリティクリスタ タイプ:でんき・フェアリー ロージア エネコ:プリネコ族だから メガフシギバナ:メガシンカから ピカチュウ:アイドル・ピカチュウのイメージから ツキノ ヒメグマorクマシュン:ツキノワグマ族だから メガカメックス:メガシンカから ホルミー ミルタンク:ホルスタ牛族だから メガリザードンXofメガリザードンY:メガシンカから ジャクリン オタマロorグレッグルorニョロトノ:カエル(オタマジャクシ)族だからor前者の特性はうるおいボディ、中者はかんそうはだ。後者ははらだいこ必須。 メガジュカイン:メガシンカから ARCAREAFACT タイプ:みず チタン ガラルギャロップ:ユニコーン族だから メガリザードンX:メガシンカから スターミー:タイプイメージから オリオン バッフロン:Gバイソン族だから コロトック:バイオリンを使うから セレン ウールー:さわやか子羊族だから アルゴン ゴーゴート:音速ガゼル族だから カイリキー:常にトレーニングしているから BUD VIRGIN LOGIC エンテイ:アイレーン スイクン:ペイペイン ライコウ:ハンドレッコ Yokazenohorizon タイプ: リカオ ルカリオ:リカオン族だから メガフシギバナ:メガシンカから ゼロティックホリック タイプ: ぎゃらこ エイパム:ミライ型ミディドォル1号・ガラゴタイプだから しまっく コジョンド:ミライ型ミディドォル2号・シマテンレックタイプだから れっぱにょ ジグザグマ:ミライ型ミディドォル3号・レッサーパンダタイプだから ギリリ キリンリキ:コウガクレキリン族だから 忍迅雷音 タイプ:でんき・むし ルカリオorゲッコウガ:嵐 アギルダー:朧 マフォクシー:燐 ボルトロス:神威 しにものぐるい タイプ:ゴースト ユキメノコ:まりまり ユキノオー:もんもん みがわり(お手製のマスコット)必須 オンバーン:でゅらでゅら ジュペッタorミミッキュ:つぎはぎ フリージオ:がしがし ウワサノペタルズ タイプ:ノーマル しばりん ガーディorワンパチ:シバイヌ族だから メガリザードンY:メガシンカから ロコン:きっつん ポニータ:はっくん ジグザグマ:ぽこえ ものしりメガネ必携 雫シークレットマインド タイプ:みず シャワーズ:ウエンディ グレイシアorマリルリ;コリエンテ アバゴーラ:タートルBIG なみのり必須 ニョロボン:シャボボン 名前ネタ。あわ、はらだいこ必須 持ち物(共通):おいしいみず(おいしすぎる水) すたっどばんぎゃっしゅ タイプ:ほのお ペルシアン:チッティ カエンジシ:ライナ ゼブライカ:ゼブリナ ゾロアークorテールナー:フェネリィ ドロップアウト先生 タイプ:むし カイロス:クワガタツヤ ヘラクロス:カブトモアキ レディアン:テントウムツミ ガウガストライクス タイプ:いわ・こおり グラエナ:キンタウルス ヤミラミ:デーヤン フタチマルorオーベム:ウチュウラー ユキノオーorバクーダ:ダイシゼン バイガンバーV タイプ:でんき・かくとう ビクティニ:バイレッド ルカリオ:バイブルー 色違いリングマ:バイグリーン はらだいこ必須 ライチュウ:バイイエロー 色違いパチリス:バイピンク デモンズベノム タイプ:あく・どく クロバット:デモンバット ザングース:デモンマングー ゴース:デモンスモッグ ヨノワール:デモンマミー ヘルガー:タスマニアンデモン アリスビーンズ タイプ:ゴースト・どく 色違いマニューラ:アンナスピール 色違いニドリーナ:アサミロズィ ヤナップ:カノンベリル ヤミカラスorズバットorフワンテ:マァリスピラ 後者2体はタイプイメージから ムーランド:アムリン ドーリィドルチ タイプ:フェアリー ミミロル:キャンディラパン ペロリーム:クリームテディ パチリス:チョキュルイユ バネブー:ピグマカロン ラボムンク タイプ:みず・こおり ピクシー:ハライク ヒヤッキー:ミトミトン ノズパス:イトダイン ラペッジオート タイプ:はがね・でんき プラスル:ミックス マイナン:リックス パッチール:アシッドモンド エテボース:DJヤキソビート チャーミーチャプレッツ タイプ:くさ・むし フシギダネ:タネフルン フシギソウ:サダフルン フシギバナ:アニフルン ハハコモリ:モーペイ コロボーシ:テンタン 04Tobizbits タイプ:ひこう ホルビー:ゲンゲン コジョフーorワカシャモ:カズゼット 後者は赤い髪と鋭い爪が似ているので。 エイパム:リューリュー ルチャブル:ヘイコゥ マスクのようなものが似ているので。 備考:全員、とびはねる必須。 テケバキツ荘 タイプ:ほのお ルンパッパ:タケッパー ダーテング:ヨシテン ロズレイド:フジレイド 名前ネタ ブーバー:タクバニング はらだいこ必須 シロラクロスカ? タイプ:ひこう ヤンチャム:やぎぬぱん スワンナorナゾノクサ:シミースワンズ 後者は図鑑番号43 コダック:オチザダック ペリッパー:タイペコ その他 トゲピー:有栖川メイプル 卵のような体型なので ダークモンスター ビークイン:デモンクイーン オーロット:長樹 リザードン:イグナイテッド キャタピー:キャタピラーバズ ダストダス:ガトージェアン モロバレル:グレートサラウンダケ ドータクン:爆音門 ドンカラス:黒残響鴉 アニメ版キャラクター ラブカス:ストロベリーハート コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 草案 トライクロニカ カイ パッチール:フラフラダンス必須。 リク ランクルス:かしこさのコンテストのマスターランクで優勝するのが良い。 楽曲 プラズマジカ サイホーン:青春はNon-Stop! コロトック:Have a nice MUSIC!! -- (ユリス) 2021-03-21 21 53 10 ルフユはグラエナよりルガルガンだな -- (名無しさん) 2021-03-21 20 29 32 草案 登場バンド ice☆Crchythm タイプ:ほのお ハムサキン マイナン:カラー重視且つハムスターっぽいポケモンと言えば。 アオユーン パウワウ:アザラシモチーフ且つカラー重視。 パヒミカン ワルビアル:ワニというイメージから。性格まじめ推奨。 ハガネール:某ジムリーダーの名前から。 ワカリリン バオッキー:猿モチーフ且つカラー重視。 ミューテン ルガルガン(たそがれのすがた):狼モチーフ且つカラー重視。 カワアズン ブイゼル:カワウソというイメージから。 ヤバい洗濯屋さん こやしか オドシシ:自称ヘラジカ族なので。 ぺんぺんぼぼ エンペルト:ペンギンの御三家なので。個性うたれづよい推奨。 もりもりとぷす トリデプス:トリケラトプスのイメージから。 マキシマムザホルトン マキシマムザ亮とん ドラピオン:モデルがマキシマムザホルモンのマキシマムザ亮君なので。 ダイスケはん ウツドン:うどんの国udon-cityの出身なので。 上とん バリコオル:介護福祉士の資格を持っているので。 ナヲとん バシャーモ:モデルがマキシマムザホルモンのナヲなので。 アイナ・ジ・エンとん ブースター:モデルがBiSHのアイナ・ジ・エンドなので。 ふぁにゃ さとにゃん ニャオニクス:白黒の猫と言えば。 とわにゃ ペルシアン:持ち物はつきのいし。 けびんぬ チラチーノ:蝶ネクタイチンチラ族なので。 ワガニャー ガメノデス:猫ではないが、使い手のズミとの料理人繋がり。 Kuronoatmosphere 919 ウィンディ:分類名「こまいぬポケモン」から。 151 エースバーン:耳が髪に見えるので。 661 ザングース:かまいたち必須。 659 色違いザングース:661同様かまいたち必須。 13 バチンウニ:黒ウニ族なので。 ice☆crchthymのメンバーの候補でパーティが出来そうです。 -- (ユリス) 2021-03-14 16 48 26 Mashumairesh キングドラ:デルミン ドラゴンタイプで色一致。はかいこうせん必須 DOKONJOFINGER レントラーorゼラオラ:ヤス 見た目重視なら ベベノム:ハッチン 蜂モチーフで見た目も似ている ファイヤーorホウオウ:ジョウ ウインディ:双循 REIJINGSIGNAL ユクシー:ララリン エムリット:スモモネ アグノム:ういうい 色&UMA縛り Yokazenohorizon ルカリオ:リカオ リカオンということで -- (名無しさん) 2021-03-14 13 38 59 草案 登場バンド テケバキツ荘 ソルガレオ:タクバニング ニャヒート:フジレイド ダーテング:ヨシテン -- (ユリス) 2017-09-29 23 40 17 しにものぐるい ・がしがし デンジュモク 顔がそっくりなので。 ・つぎはぎ ミミッキュ テケバキツ荘 ・タケッパー バクガメス ARCAREAFACT(アルカレアファクト) ・アルゴン コバルオン ・オリオン ルナアーラ ・チタン ギャロップ ・セレン シェイミ(スカイフォルム) フカシギミック ・シャッキー カイオーガ ・マロ マフォクシー ・ゲ・フロッチ ジュナイパー Spectrenotes(スペクトルノーツ) ・カナート ヤドキング ・キッカー キュウコン ・ヒデニーロ トリミアン ・マオッティ パチリス ・イヴァリー ムーランド -- (マルビ) 2017-06-29 23 46 46 バンド草案 フカシギミック(タイプ:みず・かくとう) メンバー クラブ:マロ ヨルノズクorジュナイパー:ゲ・フロッチ ネオラント:シャッキー ARCAREAFACT(タイプ:みず・はがね) メンバー コバルオン:チタン テラキオン:オリオン ケルディオ:セレン ビリジオン:アルゴン -- (名無しさん) 2017-01-21 15 44 21 シアンにペルシアンは? ネコ+名前から ただそれだけ -- (カヤブキ) 2016-02-23 11 23 20 ラボムンク タイプ:こおり・みず トライクロニカ タイプ:でんき・ドラゴン 徒然なる操り霧幻庵 タイプ:ほのお ドロップアウト先生 タイプ:むし ラペッジオート タイプ:はがね クリティクラスタ タイプ:でんき・フェアリー -- (カプチーノ) 2016-02-19 20 17 50 04Tobizbits(ぜろよんとびずびっつ) タイプ:ひこう ・ゲンゲン:ホルビー ・カズゼット:コジョフーorワカシャモ イタチじゃなくてもいいのなら後者で。赤い髪と鋭い爪が似ているので。 ・リューリュー:エイパム フェレットじゃないけれど ・ヘイコゥ:ルチャブル アナグマじゃないけれどマスクのようなものがにているので。 全員、とびはねる必須。 バイガンバーV ・バイレッド:ビクティニ ・バイブルー:ルカリオ ・バイピンク:色違いパチリス ・バイイエロー:ライチュウ -- (カプチーノ) 2016-02-19 20 06 44
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【登録タグ CD CDC SHUNCD】 前作 本作 次作 MIND ERROR COOL ZERO ONE PAIN SHUN 発売:2008年9月23日 価格:¥630(税込) 流通:同人 サークル:STYLE.S CD紹介 ボーマス5で初頒布されたSHUN氏のVOCALOIDアルバム第2弾。 お洒落さを匂わせるロックサウンド、切ないサウンドナンバーを収録。 曲目 捨猫Russian Blue 選択〈love or dead〉 Cool Zero One 捨猫RussianBlue〈vocal off〉 Cool Zero One〈vocal off〉 リンク 作者ホームページ とらのあな メッセサンオー メロンブックス コメント とにかくカッコよかった作品でした。 -- maxmen (2008-09-25 15 48 02) 名前 コメント